迷惑メール対策

                                東中ビジコン 太田 光雄

はじめに

 多くのメール利用者が日常的に直面している大きな問題の一つに、迷惑メールの増加があります。受信トレイに大量の迷惑メールが届くと、それを一つひとつ削除する手間がかかるだけでなく、誤って詐欺メールや個人情報を狙ったフィッシングメール、有害な添付ファイル付きのメールを開いてしまうリスクも高まります。その結果、金銭的な被害や個人情報の漏洩といった深刻な問題につながる可能性があります。

 もし迷惑メールがすべて「迷惑メールフォルダー」に自動で振り分けられれば、削除の手間が省けるだけでなく、有害な迷惑メールをうっかり開くリスクも大幅に減らせるでしょう。

 受信トレイに大量の迷惑メールが届いてしまう原因の一つとして、プロバイダーや回線業者が提供する基本的なメールサービス、あるいはMicrosoft Outlookなどの一般的なメールクライアントをそのまま利用していることが挙げられます。これらのサービスでは、迷惑メールのフィルタリング機能が十分とは言えない場合があり、その結果、不要なメールがそのまま受信トレイに届いてしまうのです。

 これは、プロバイダーのメールサービスもOutlookも、迷惑メールを自動的に「迷惑メールフォルダー」へ確実に振り分ける機能が万全ではないためです。

 この「迷惑メール対策」は、現在ご利用中のプロバイダーメールをそのまま使い続けながら、迷惑メールが受信トレイに届かないよう対策を講じ、詐欺メールや個人情報を狙ったフィッシングメール、有害な添付ファイル付きメールなどによるリスクを最大限に軽減することを目的として作成しました。

 ぜひこれをご活用いただき、安全で快適なメール環境の構築にお役立ていただければ幸いです。

 なお、この「迷惑メール対策」のPDF版は、次の「ダウンロード頁へ」をクリックして、無料でダウンロードできます。ご活用ください。

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第一章 迷惑メールとは?

 迷惑メールとは、受信者にとって不要あるいは有害であり、不快感を与えたり、被害をもたらしたりする可能性のあるメールを指します。これらのメールは、その目的や手口に応じて、以下の3つに分類できます。

1. 有害メール(詐欺・攻撃目的)

 有害メールとは、受信者の個人情報や金銭の不正取得、またはウイルス感染など、明確な悪意をもって送信されるメールを指します。代表的な例としては、以下のようなものがあります:

①フィッシングメール:銀行や企業になりすまし、ログイン情報やクレジットカード番号などを盗み取ろうとするメール

②ウイルスメール:マルウェア付きのファイルを添付し、開かせて端末に感染させようとするメール

③詐欺メール:偽の請求や懸賞当選などを装い、金銭を騙し取ろうとするメール

④なりすましメール:友人や企業を装って信頼を得た上で、情報や金銭を詐取しようとするメール

 これらは、迷惑メールの中でも特に危険性が高く、十分な注意が必要です。

2. 商用メール(スパム広告・販促)

 商用メールとは、商品やサービスの宣伝を目的として、一方的に送信される迷惑メールのことです。具体的には、以下のようなタイプがあります:

①広告メール:セールやキャンペーン情報などを紹介するメール

②アフィリエイトメール:報酬を得ることを目的に、商品リンクや紹介情報を送ってくるメール

③ダイレクトメール(DM):受信者の同意を得ずに配信される宣伝メール

 これらのメールは、多くの場合、無差別に送信され、受信者にとっては読む価値のない情報であるため、迷惑メールと見なされます。

 件数としては、迷惑メール全体の中で最も多くを占めるタイプです。

3. ソーシャルメール(通知系)

 ソーシャルメールとは、SNSやマッチングアプリ、動画サイト、X(旧Twitter)などのサービスから送られてくる通知メールのことです。これらは一見有害ではないものの、量が多すぎると煩わしい存在になります。

 必要な通知だけを残すためには、適切なフィルタ設定が有効です。

~迷惑メールが占める割合とその対策~

 これら3種類の迷惑メールは、現在のネット空間において、全メール流通量の50〜70%を占めているとも言われています。一方で、通常の正当なメールは30〜50%程度に過ぎません。

 このような状況からもわかる通り、快適で安全なメール利用のためには、迷惑メールを確実にフィルタで遮断することが極めて重要です。

 その点で、Gmailは非常に高性能な迷惑メールフィルタを備えており、最も信頼性の高い選択肢のひとつといえるでしょう。

第二章 世界最高水準のセキュリティを誇る「Gmail」

 数あるメールサービスの中でも、世界トップクラスのセキュリティ性能を誇るのが Google の「Gmail」です。Gmailは、世界最大規模のメールサービスであり、日々膨大な量のメールデータをもとに、機械学習とAIによる迷惑メール検知精度の向上を継続的に行っています。

 これにより、詐欺メールやスパムメールの新たな手口にも迅速かつ正確に対応できる体制が整っており、迷惑メール対策の最前面に立っています。

1. Gmailフィルタの驚異的な精度

 GoogleのAIは非常に高いフィルタリング精度を誇り、スパムや詐欺メールを99.9%以上の精度で検出しています。迷惑メールが誤って受信トレイに届いてしまう確率は、わずか0.01%未満と報告されており、非常に信頼性が高いといえます。

 さらに、Gmailは新種のフィッシング詐欺や広告メールにも柔軟に対応しており、日々アップデートが行われるため、新しく登場したばかりの有害メールに対しても強い防御力を持っています。

 また、ユーザーが「これは迷惑メール」と指定した情報を自動で学習し、次回以降は自動的に迷惑メールとして処理されるなど、学習機能も非常に優れています。

 加えて、Gmailでは独自のフィルター機能によって、差出人アドレス・件名・本文のキーワード・添付ファイルの有無など、細かな条件でフィルタールールを自由に設定することができます。

 さらに、迷惑メールの大半を占める広告メールやSNS通知などの「プロモーション」や「ソーシャル」メールは、メインの受信トレイとは分離して表示されるため、通常の重要なメールだけが「メイン」に届く仕組みになっています。これにより、大切なメールの見落としも大幅に減少します。

 つまり、Gmailを活用することで、ユーザーが迷惑メールに悩まされる可能性は、限りなくゼロに近づけることができるのです。

2. プロバイダーが提供するメールの限界

 一方で、So-net、AsahiNet、OCN、DION、@nifty、Yahoo! などのプロバイダー(ISP:インターネット接続事業者)や同様のメールサービスでは、迷惑メールや詐欺メールへの対策が必ずしも万全とは言えません。

(※なお、Yahoo! は厳密にはプロバイダーではありませんが、便宜上本「メール安全ガイド」では「プロバイダー」に含めて表記します。)

 これは、プロバイダーにとってメールサービスが本業ではなく、インターネット接続の“付属機能”にすぎないという事情に起因します。そのため、本格的なセキュリティ投資が難しく、迷惑メールフィルタの精度も十分とは言えないのが現状です。

 実際、プロバイダーメールにおける迷惑メール検知の精度や誤判定率は、Gmailに比べて100倍以上劣ると指摘されることもあります。

3. 安全性を重視するなら「Gmail」一択

 このように迷惑メール対策の性能やセキュリティ体制を比較すると、Gmailが圧倒的な優位性を持っていることは明らかです。

 メールの安全性を重視する方、詐欺やスパム被害を未然に防ぎたい方、日々の迷惑メール処理から解放されたい方にとっては、Gmailの利用、またはプロバイダーのメールをGmailに転送して一元管理する方法が、最も効果的かつ現実的な解決策と言えるでしょう。

4. プロバイダーメールをGmailに転送してGmailのセキュリティを利用する方法を推奨

 多くの方が、プロバイダーのメールアドレス(いわゆる「プロバイダーメール」)を使っている理由は、「メール機能を使いたかったから」というよりも、「プロバイダーと契約したらメール機能が付いてきたから」といったケースがほとんどではないでしょうか。

 この『メール安全ガイド』が推奨するのは、「プロバイダーメールをGmailに転送し、Gmailの高度なセキュリティ機能を活用する」という方法です。

 ただし、これは「Gmailを使うからプロバイダーを解約してよい」という意味ではありません。なぜなら、Gmailはあくまでメール送受信とセキュリティ機能を提供するサービスであり、インターネット接続そのものを担う“プロバイダー機能”の代わりにはならないからです。

 つまり、Gmailの強力な迷惑メールフィルタやスパム対策機能を使って、プロバイダーメールの安全性や使いやすさを向上させることはできますが、プロバイダー契約そのものは継続が必要ということになります。

 各プロバイダーが提供しているメールサービス自体は、たいてい無料で利用できます。つまり、プロバイダーの会員である限り、メール機能は追加料金なしで使用可能です。

 ただし、迷惑メール対策などの付加機能を使いたい場合には、月額数百円の料金が発生することがあります。これらはオプション扱いとなっており、ユーザーの判断で申し込む仕組みです。

 言い換えると、こうした付加サービスを申し込まなければ、メールサービス自体に費用がかかることはありません。

 そうであれば、わざわざプロバイダーの有料オプションである迷惑メール対策サービスを使わなくても、プロバイダーメールをGmailに転送し、Gmailの無料で高性能なセキュリティ機能を利用するというのが、最もコストパフォーマンスに優れた迷惑メール対策になります。

 プロバイダーメールをGmailに転送し、Gmailのセキュリティを活用する具体的な方法については、後ほど詳しくご紹介いたします。

 その前に、ひとつ触れておきたいことがあります。

 調査や聞き取りの中で、プロバイダーメールをOutlookなどのメールソフト(メーラー)で利用している方が、意外と多いことがわかりました。そこで次に、Outlookのようなメールソフトを使うことの是非について、ご説明したいと思います。

第三章 Outlookを個人で使い続けるべきか?再考のすすめ

 かつて勤務していた会社で、メールソフトのOutlookを使っていた、あるいはMicrosoft Office製品に付属していたという理由で、現在も個人用途でOutlookを使用している方が少なくありません。

 しかし、Outlookはそもそも企業向けに設計された「チーム管理・グループウェア」であり、個人利用においては過剰な機能が多く、扱いにくい一面があります。

1. Outlookは“企業向け専用ツール”

 Outlookは、メールだけでなく、予定表、会議の招集、タスク管理、連絡先共有など、チームでの連携を前提とした機能が豊富に搭載されています。

 個人で使用する場合、こうした機能の大半は不要です。メールとカレンダーの管理であれば、Gmailやスマートフォンの標準アプリで十分対応可能です。

 さらに重要なのは、企業でOutlookが真価を発揮する背景には、「Microsoft Exchange Server」という専用の高機能メールサーバーが存在しているという点です。

 このExchange Serverは、迷惑メールやマルウェアの高度なフィルタリングを行い、Outlookにメールが届く前の段階で、強力な“防壁”として機能しています。

 加えて、企業ではセキュリティの専門チームが24時間体制で監視していることも珍しくありません。

 つまり、Outlookは「Exchange Serverと専門チームの保護」があってこそ、安心して使えるものなのです。

2. 個人使用のOutlookには“防御力”がない

 一方で、家庭でOutlookを利用する場合、このExchange Serverによる保護機能はありません。

 Outlook単体では、スパムフィルタやセキュリティ対策は限定的であり、GmailのようなAIによるリアルタイム防御機能も不十分です。

 MicrosoftもOutlook向けに迷惑メール対策を提供していますが、それはあくまで企業向けのサーバー環境を前提とした補完的な機能であり、Gmailのように単体で高精度なフィルタが機能する設計ではありません。

3. Outlook × プロバイダーメール=最悪の組み合わせ

 多くの個人ユーザーは、Outlookと組み合わせてプロバイダーが提供するメールアドレスを使用しています。しかし、プロバイダーメール自体がもともと迷惑メールフィルタの精度が低いという問題を抱えています。

 これに加えて、Outlook側のスパム対策も限定的なため、“二重に防御力が低い環境”でメールを管理していることになり、迷惑メールが受信トレイに届いてしまうのを防ぐ機能は極めて低いと言えます。

 さらに問題なのは、迷惑メール対策において「精度」だけでなく「対応スピード」も重要であるという点です。一般的に、プロバイダーメールやOutlookは新たな詐欺メールやスパム手口への対応が遅れがちであり、こうした環境でメールを管理していると、ユーザーは常に被害リスクに晒され続けることになります。

4. プロバイダーメールのOutlook経由Gmailへの転送は不可

 これまでOutlookを使ってメールの送受信を行っていた方は、Outlook上に設定されたプロバイダーメールアカウントから、「仕分けルール」などを用いてGmailへの自動転送を試みるかもしれません。しかし、この方法は実用面でもセキュリティ面でも問題が多く、推奨できません。

 その主な理由は:

 Outlookはローカルアプリケーションであるため、転送処理はOutlookが動作しているときにしか機能しません。つまり、PCがシャットダウンしている間は転送が行われず、24時間安定して転送することができないという大きな制限があります。

 したがって、メールの転送設定は、プロバイダーのマイページやWebメール上の設定画面で直接行い、常時安定して受信できるGmailで管理するのが最も安全で現実的です。

 結局のところ、迷惑メールが受信トレイに入ってくるのを最大限に防ぎたい、そして有害な詐欺メールや、一方的に送り付けられる商用メール・SNS通知なども見たくないというのであれば、Outlookのようなメールクライアントを使い続けるのは非効率です。

 それよりも、高精度の迷惑メールフィルタと柔軟な自動分類機能を備えたGmail(Webメール)のセキュリティを活用するほうが圧倒的に有利です。Gmailなら、

 ・迷惑メールの誤検出率が極めて低く、

 ・AIによる学習でどんどん賢くなり、

 ・細かいフィルター設定が可能で、

 ・広告やSNS通知を「メイン」から自動的に分離できる

という特長があります。

 つまり、「本当に必要なメールだけを安全かつ効率的に受信したい」のであれば、Gmailを使ったり、あるいはプロバイダーメールをGmailに転送して、Gmailのセキュリティを活用するのがベストな選択と言えるでしょう。

第四章 Gmailのメールアドレスを新規に取得する

 そこで、Gmailを単独で利用するにせよ、あるいはプロバイダーメールをGmailに転送して、Gmailのセキュリティを活用するにせよ、まずはGmailのメールアドレスを新たに作成する必要があります。Gmailを利用するには、Googleアカウントの作成が必要です。

 以下の手順に沿って、アカウントを作成してください。

1. Googleアカウント作成ページにアクセス

 以下のURLを開きます:

👉 https://accounts.google.com/signup

 表示されたページで、次の情報を入力します。;

 ①姓名

 ②希望するメールアドレス(例:xxxx@gmail.com)

 ③パスワード(確認用も含めて2回入力)

2. 電話番号と回復用メールアドレスの入力

 続いて、電話番号の入力を求められることがあります。これはセキュリティ強化の一環で、SMS認証に使われるほか、アカウントを復元する際にも役立ちます。

 入力は任意ですが、登録しておくと安心です。

 同様に、回復用メールアドレスも任意入力項目です。こちらもパスワードを忘れた際の本人確認に活用されます。

 また、生年月日と性別の入力も必要です。

3. プライバシーと利用規約に同意

 最後に、Googleのプライバシーポリシーと利用規約を確認し、「同意する」をクリックすると、アカウント作成が完了します。

4. Gmailにアクセス

 アカウント作成後、自動的にGmailの受信トレイが表示されます。今後は以下のURLからアクセス可能です:

 👉 https://mail.google.com/

 ブラウザのブックマークに登録しておくと、次回以降のアクセスがスムーズです。

第五章 プロバイダーメールのWebメール画面からGmailへの転送を設定

 Gmailへの転送設定をプロバイダーメールの方ですれば、現在使用中のプロバイダーメールアドレスをそのまま維持しながら、Gmail上で受信メールを一括管理することができます。

 Gmailへの転送の大きな利点として、転送されたメールはGmailの高精度な迷惑メールフィルタを通過するため、受信の段階で強力なスパム対策が働きます。しかも、ほとんどのプロバイダーは、メールを転送する前に自社の迷惑メールフィルタも通す仕様になっているので、プロバイダー側の簡易的な迷惑メールフィルタと、Gmail側の高度なAIスパムフィルタという「二重のセキュリティ」を通ることになります。

 この二段階フィルタによって、詐欺メールやウイルスメールの多くは自動的にブロックされるという理屈になりますが、実用上はGmail側だけでも十分すぎるほどの迷惑メール対策が可能です。

 したがって、プロバイダーの迷惑メール対策を有料で利用する必要はまったくありません。Gmailへの転送によって、より高性能なスパム対策を無料で手に入れることができるからです。有料の迷惑メール対策サービスにお金を払う理由は、もうどこにもないのです。

. プロバイダーのログインURLなどの概要(例)

 現在ご利用中のプロバイダーメールにログインし、「マイページ」または「Webメール」の管理画面から「メール転送設定」を行ってください。この際、あらかじめ作成しておいたGmailアドレスを転送先メールアドレスとして指定します。

 プロバイダーのメールからGmailへの自動転送設定を行うことで、迷惑メールの受信を抑えつつ、Gmailでの一括管理が可能となり、メール運用がよりシンプルで効率的になります。

 各プロバイダーは、Webメールまたは会員専用ページに「転送設定」機能を用意しています。次に、(1)主なプロバイダーのメールのログインURLなどの概要(例)と、(2)転送するプロバイダーメールの設定方法をご紹介します。

 各プロバイダーのログインURL、ログイン方法などをご紹介します。設定は、「(2)転送するプロバイダーなどのメールの設定方法」を参考にして行ってください。

プロバイダーの転送設定 一覧表
プロバイダー転送設定の方法転送可否・制限ログインURL(公式)
So-net NUROマイページ → メールサービス関連 → メール転送設定So-netとのプロバイダー契約者は可だが、Soベーシックコース(月額330円)は不可https://www.so-net.ne.jp/mypage/
Yahoo!メール設定画面 → 転送設定(有料プラン加入者のみ)無料利用者は不可だが、月額304円の「Yahoo!メールPlus」加入者は可https://mail.yahoo.co.jp/
Asahi Net会員メニューにログインし転送設定Webメール上では設定不可https://webmail.asahi-net.or.jp/
OCNWebメール → 設定 → メール転送転送可、迷惑メールフィルタの設定も可能https://mail.ocn.ne.jp/
DION (au one net)MyDION(会員サポートサイト) → メール転送設定転送可能https://www.dion.ne.jp/mydion/
J:COMマイページまたはパーソナルID管理 → メール転送設定転送可https://mypage.jcom.co.jp/
Niftyオプションサービス → メール転送機能転送可https://mail.nifty.com/info/forward/
BiglobeWebメール → 右上の歯車アイコン → 設定 → 転送設定転送可https://email.biglobe.ne.jp/
Fiberbit.net会員メニュー → アカウント詳細 → 転送先設定転送可https://www.fiberbit.net/mailsetting/account/4forward.html

※NURO光ユーザーは、無料でSo-netメールアドレス(@so-net.ne.jp)を利用できます。転送設定もSo-netの公式サイト(マイページ)から行います。

※※設定手順の詳細については、各社の公式サポートページをご確認ください。

2. 転送するプロバイダーなどのメール側での設定方法

 プロバイダーのWebメールには、以下のような保存に関する設定項目が用意されていることがあります。これらを適切に設定しておくことで、思わぬトラブルやメールの見落としを未然に防ぐことができます。

(1)Webメールの迷惑メールフィルタ

 プロバイダーのWebメールを利用している場合は、迷惑メールフィルタ機能を「ON」に設定しておくことができます。

 ただし、実際のところ、Gmailのセキュリティ機能だけでも非常に高精度で、これだけでほとんどの迷惑メールや詐欺メールを自動でブロックできます。そのため、プロバイダー側のフィルタは必須ではなく、Gmailに転送しておくだけで実用上は十分といえます。

 もちろん、プロバイダー側でもフィルタをオンにしておけば、二重のチェック体制となって安心感は増しますが、Gmailに転送するのであれば、プロバイダーの迷惑メール対策のための有料オプションも不要です。

 参考までに、プロバイダー各社の迷惑メールフィルタの強度は、一般的に次のような順序とされています。

プロバイダー各社の迷惑メールフィルタ強度(強固な順)

So-net / NURO(比較的強固)
OCN
DION / J:COM / Nifty / BIGLOBE
AsahiNet / Fiberbit.net
Yahoo!メール(無料・有料)

※NURO光ユーザーは、基本的に無料でSo-netメールアドレス(@so-net.ne.jp)を利用可能です。

(2)迷惑メールの保存期間を設定

 長期間迷惑メールが蓄積しないようにするための設定です。これにより、Webメールにログインしたときに大量の迷惑メールが溜まっている、といった事態を避けられます。

メールごとの迷惑メール保存期間の例(※2024年時点)

メール迷惑メール保存期間(初期設定)ユーザーによる変更備考
So-net / NURO約30日可能Webメールの設定画面で自動削除日数を選択可能
Yahoo!メール(無料)7日不可無料版では固定。有料プランでは柔軟な管理が可能
AsahiNet約30日一部設定可能詳細は会員ページの「迷惑メール振り分け」設定で確認
OCN14~30日可能OCNメール設定ページから自動削除日数を設定可能
DION(au one net)約30日可能My au(旧My DION)から設定変更が可能
J:COM約30日可能Webメールの迷惑メール設定から日数指定可能
Nifty約14日場合により不可古い契約では自動削除固定。変更制限される場合あり
BIGLOBE約30日可能Webメール画面の設定で削除期間を選択可能
Fiberbit.net約14~30日(未明示の場合あり)不明または不可明確な設定項目が少なく、サポートへの確認が必要

 各社とも「自動削除期間の設定」や「迷惑メールの保持方針」はサービス仕様変更の影響を受けやすいため、最新の設定を一度ご自身のアカウントで確認することをおすすめします。

(3)OCNの「外部メールアプリの利用制限」解除

 OCNのメールサービスでは、セキュリティ対策の一環として「外部メールアプリの利用制限」という機能が用意されています。この設定が有効になっている場合、Gmailから、OCNのメールアドレスを使ってメールを送信しようとしても、OCN側で「サーバーに接続できません」、「認証に失敗しました」といったエラが発生して、送信が拒否されます。

 このようなことが起きないようにするには、下記①~⑤の手順で、「外部メールアプリの利用制限」の設定を無効(=外部アプリからの利用を許可)に変更すれば、GmailからOCNのメールアドレスを使った送信が可能になります。;

 ①OCNの公式サイトから「OCNマイページ」にログインします

 ②「メール設定」もしくは「セキュリティ設定」の項目を開きます

 ③「外部メールアプリの利用制限」などの名称で項目が表示されます

 ④その設定を「制限する」→「制限しない」に変更します

 ⑤設定を保存し、10〜15分後にGmailからOCNのメールアドレスで発信し、OCN

のSMTP接続を試みてください

(4)Yahoo!メールの「アプリパスワード」取得

 Yahoo!メールで二段階認証を有効にしている場合、GmailからYahoo!メールを送受信するには、下記①~⑨の手続を行って「アプリパスワード」を設定します。

 ①Yahoo!アカウントにログインする

 ②アカウント情報を開く

 ③「アカウントセキュリティ」画面を開いて、「アカウントセキュリティ」 をクリッ 

 クします。このページで、二段階認証の設定状況を確認できます

 ④アカウントセキュリティの中にある 「アプリパスワードの管理」 をクリック(このリンクが表示 

 されない場合は、二段階認証が有効になっているかを確認)

 ⑤「新しいアプリパスワードの生成」をクリックし、任意のわかりやすい名前(例:「Gmail

 SMTP」など)を入力し、「生成」をクリック

 ⑥生成された16文字前後の英数字のアプリパスワードが表示されます。このパスワードは再表示でき 

 ないため、必ずコピーして保存しておきましょう。

 ⑦Gmailの「他のメールアドレスを追加」設定のパスワード欄に、このアプリパスワードを入力しま 

 す。

 ⑧プロバイダーメールを追加設定する場合、確認メールが届きます(例:

 example@yahoo.co.jp)。そのメールにある確認リンクをクリック、または表示された確認コード

 を入力すると、送信設定が有効になります。

 ⑨これらの設定が完了すると、Gmailのメール作成画面で、「差出人」欄から Yahoo!メールのアドレ

 スを選択できるようになります。

第六章 GmailでのSMTP認証の設定

 Gmailからプロバイダーメールのアドレスを使ってメールを送信するには、「SMTP認証」と呼ばれる、プロバイダー側の送信サーバーによる本人確認が必要です。

 この「SMTP認証」とは、Simple Mail Transfer Protocolの略で、簡単に言えば「本当にそのメールアドレスの持ち主が送っているのか」を確認する仕組みです。以下にその流れを説明します。

 たとえば、Gmailの画面でメールを作成し、差出人として「example@ne.jp(※プロバイダーメールの一例)」というアドレスを選んで送信したとします。このとき、Gmailは、あらかじめ設定しておいたプロバイダーの送信サーバー(例:smtp.ne.jp)に接続します。

 次にGmailは、その送信サーバーに対して、「このメールアドレスを使う許可を持っているか」を証明するために、メールアドレス(例:example@ne.jp)と、そのパスワードを使ってログインを試みます。このログイン処理が、まさに「SMTP認証」です。

 プロバイダー側のサーバーがこれらの情報を照合し、正しいと判断すれば、「このユーザーは正規の利用者である」と認証されます。すると、Gmailが作成したメールは、プロバイダーのSMTPサーバーを通じて、相手に送信されることになります。

 つまり、見た目にはGmailでメールを送っていますが、実際の送信処理はプロバイダー側のメールサーバーで行われており、その結果、送信元も内容も信頼できるメールとして扱われやすくなります。

 Gmailでプロバイダーメールのアドレスから送信できるようにするには、多くのプロバイダーが採用している、この「SMTP認証」を通るように設定しなければなりません。

1. 通常の「SMTP認証」の設定

  So-net、DION / au one ne、t@nifty、BIGLOBE、AsahiNetなど多くのプロバイダーメールの「SMTP認証」の手続き方法は、ほぼ共通していて、次のような段取りを踏みます。

(1)Gmailにログイン

 ブラウザで https://mail.google.com を開き、Gmailにログインします。

(2)設定画面を開く

 画面右上にある「歯車アイコン(⚙️)」をクリックし、表示されたメニューから「すべての設定を表示」を選びます。

(3)「アカウントとインポート」タブを開く

 上部メニューの中から「アカウントとインポート」タブを選択します。

(4)「他のメールアドレスを追加」をクリック

 「名前とメールアドレスを追加」という項目内にある「他のメールアドレスを追加」リンクをクリックします。

(5)表示名とプロバイダーメールのアドレスを入力

 表示名は相手に表示される差出人名で、任意の名前を入力します。続いて、送信元として使用したいプロバイダーメールのアドレス(例:example@〇〇.ne.jp)を入力し、「次のステップ」をクリックします。

(6)Gmailの「エイリアスとして扱います」の意味と選び方

 追加したいプロバイダーメールのアドレスを入れる「メールアドレス」の下に☑️ 「エイリアスとして扱います」の表示があり、通常は初期状態でチェックが入っています。

 このチェックを入れたままにするか、外すかによって、メールの送信方法や相手からの返信の受け取り方に違いが出てきます。それぞれの仕組みとメリット・デメリットを理解して、目的に応じた設定を行いましょう。

①エイリアスとして扱わない(チェックを外す)場合

 「エイリアスとして扱います」のチェックを外すと、Gmailからメールを送信する際に、GmailのSMTPサーバーではなく、追加したプロバイダーのSMTPサーバーを使って送信されるようになります。これにより、そのプロバイダーメールアドレスから本当に送信されたメールとして扱われるため、相手先のメールシステムにも正規の送信として認識されやすくなります。

実際、一部のプロバイダーでは、GmailのSMTPを使って送信されたメールを「なりすましメール」と判定し、迷惑メールフォルダーに振り分けてしまうことがあります。その点、チェックを外しておけば、送信元の信頼性が保たれ、相手に確実に届く可能性が高まります。

 この場合、相手の返信は、Gmailではなくプロバイダーメール宛に届きます。ただし、プロバイダーメールをGmailに転送設定しておけば、返信メールもGmailの画面上で確認できます。つまり、送信はプロバイダーメールから、受信はGmailで、といった形で運用できるのです。

 なお、この方法ではGmailに一本化はできませんが、プロバイダー契約を継続せざるを得ない以上、それでも特に支障はありません。

②エイリアスとして扱う(チェックを入れたままにする)場合

 一方、チェックを入れたままにしておくと、GmailのSMTPサーバーからメールが送信されます。見かけ上はプロバイダーメールのアドレスを使っているように見えますが、実際の送信元はGmailであるため、相手のメールシステムによっては「なりすまし」と判定され、迷惑メール扱いになるリスクがあります。

 とはいえ、この設定にはメリットもあります。相手の返信はGmailのアドレス宛に直接届くため、時間が経てば連絡先の更新が進み、自然とすべてのやり取りがGmailで完結するようになります。将来的にプロバイダーメールの使用をやめたい 場合には、有効な設定方法といえます。

 ただし、相手から返事が来ないことがあれば、相手側の迷惑メールフォルダーに振り分けられていないかどうか、注意してもらう必要があります。Gmailから送ったメールが相手に届かない、または迷惑メールに入っていたという場合には、この「エイリアスとして扱います」のチェックを外すことを検討しましょう。

③エイリアスのチェックを外す・外さないのメリットとデメリット

 Gmailのインターフェースや迷惑メールフィルターなどの利便性を活かしつつ、送信元としての信頼性を保ちたい場合は、チェックを外すのがベストです。一方で、Gmailに一本化していきたい場合は、一部で不着となったり、迷惑メールに振り分けられたりするデメリットはありますが、その心配が少ないのであれば、チェックを入れたままにするという選択もあります。

 どちらの設定を選ぶかは、今後プロバイダーメールをどう扱っていきたいかによって決まってきます。自分の運用スタイルに合った設定を選ぶようにしましょう。

~エイリアスのチェックを外す・外さないの利点と欠点~

チェック状態送信元返信先信頼性Gmailへの一本化
チェックを外すプロバイダーのSMTPプロバイダーメール(→Gmailに転送)高いできない
チェックありGmailのSMTPGmail一部で迷惑メール扱いの恐れしやすい

(7)SMTPサーバー情報を入力

  次に、プロバイダーが提供しているSMTP(送信サーバー)の情報を入力します。各社のSMTPサーバー名は次の通りです。

(SMTPサーバー名)

プロバイダー名SMTPサーバー名
So-netmail.so-net.ne.jp
NURO(So-net系列)smtp.nuro.jp
OCNsmtp.ocn.ne.jp
DION / au one netsmtp.mail.dion.ne.jp
J:COMsmtp.vcable.ne.jp
@niftysmtp.nifty.com
BIGLOBEmail.biglobe.ne.jp
AsahiNetsmtp.asahi-net.or.jp
Fiberbit.netsmtp.fiberbit.net
Yahoo!メール(無料版&有料版)smtp.mail.yahoo.co.jp

 その他、ポート番号(SSL)は465、ポート番号(TLS)は587、ユーザー名はプロバイダーメールのメールアドレス、セキュリティ方式はSSL または TLSで各社共通です。   これらを入力し、「アカウントを追加」をクリックします。

(8)確認メールを受け取り、確認リンクをクリック

 Gmailの受信トレイに、確認メールが届きます。そのメールにあるリンクをクリックするか、確認コードを入力して認証を完了してください。

 以上で、Gmailからプロバイダーメールのアドレスを使って送信できるようになりました。今後、メール作成時に「差出人」の欄から、使いたいアドレスを選ぶことができます。

2. 快適に安全に使うためのGmail側での対策

 プロバイダーメールをGmailに転送するだけでは、必ずしも万全な迷惑メール対策が実現されるとは限りません。

 実際、すでにGmailを利用している人の中にも、「迷惑メールが受信トレイに入ってきてしまう」、「不要な広告や宣伝メールが届いて困っている」といった声が少なくありません。

 これは、Gmailが本来持っている強力なフィルタ機能を、正しく設定・活用できていないことに主な原因がありますが、次の4つの対策を講じることで、Gmailをより快適かつ安全に活用することが可能になります。

 迷惑メールが受信トレイに頻繁に入ってくる場合、そのメールを「迷惑メールフォルダー」へ自動的に振り分けるようにします。

 先ず、受信トレイで該当メールを開き、右上の「︙(縦の三点)」をクリックします。

(1)送信者をブロックする

 メール画面右上の「︙(縦の三点)」メニューをクリックすると、「○○さんをブロックする」や「迷惑メールとして報告」といったオプションが表示されます。

 「○○さんをブロックする」を選ぶと、今後その送信者からのメールは自動的に「迷惑メール」フォルダに振り分けられ、受信トレイに入って来なくなります。

(2)「迷惑メールとして報告」する

 同じく「︙」メニューから「迷惑メールとして報告」を選択すると、GmailのAIがそのメールの送信元・件名・本文・リンク先などを総合的に分析し、将来似たようなメールを自動で迷惑メールとして判断するよう学習します。

 この報告情報の反映範囲は、報告者が少ない場合は、あなたのアカウントのみに適用されますが、報告者が多数いる場合は、Gmail全体の迷惑メールフィルタに反映され、他のユーザーにも影響が及ぶ可能性があります。

 たとえば、あなたが「Yahoo不動産」からのメールを迷惑メールとして報告しても、単独であればあなたのアカウントにのみ反映され、他のユーザーの受信には影響しません。

 しかし、同様の報告が多数寄せられた場合、Gmailはそれを学習し、「Yahoo不動産」のメールを全体的に迷惑メールと判断する可能性があります。

~最も効果的な方法:「ブロック」+「報告」の併用~

 迷惑メール対策の最も効果的な方法は、①送信者のブロック + ②迷惑メールとして報告の2ステップを併用することです。

 この組み合わせにより、あなた自身の受信環境の改善(ブロック)と、Gmail全体のフィルタ精度向上(報告)の両方に貢献でき、迷惑メールの再受信リスクを最大限に抑えることができます。

 「ブロック」「報告」の二つは、実際にGmailでのメール受信が始まったら、暫くの間はこまめに行うことで、迷惑メールに悩まされる頻度は大きく減ることになるでしょう。

(3)Gmailの「カテゴリ機能」をオフにする

 Gmailの受信トレイ上部に「メイン」「プロモーション」「ソーシャル」などのタブが表示されていることがあります。これは、Gmailが備える「カテゴリ機能」によって、受信トレイを自動的に「メイン」「プロモーション」「ソーシャル」に分類して、タブ別に表示しているためです。「プロモーション」「ソーシャル」内のメールは、手動で削除する必要があります。

 受信トレイの表示を「メイン」だけにして、「プロモーション」と「ソーシャル」を表示しないようにするには、Gmail画面右上の「⚙(設定)」アイコンをクリック→「すべての設定を表示」を選択し→上部メニューから「受信トレイ」タブを開いて→「カテゴリ」欄で「プロモーション」「ソーシャル」のチェックを外します。こうすると、受信トレイに上部の「プロモーション」と「ソーシャル」のタブは表示されなくなります。ただ、この設定を行っても、「プロモーション」と「ソーシャル」のメールは「メイン」タブ内に表示されることがあり、その場合は、手動で削除する手間がかかります。

(4)受信トレイに入るプロモーション・ソーシャルのメールを非表示にする

 上記(3)で「カテゴリ機能」をオフにしておけば、「プロモーション」「ソーシャル」のタブ自体は表示されなくなりますが、「プロモーション」や「ソーシャル」のメール自体を、受信トレイ内に入らないようにするには、次の一工夫が必要です。

 Gmail画面右上の「⚙」→「すべての設定を表示」→「フィルタとブロック中のアドレス」タブを開き→「新しいフィルタを作成」をクリックして→「含む言葉」欄に「category:promotions OR category:social」を正確に入力します(ORやcategory:は、すべて半角英字で、スペースも正確に入力してください)→「この検索条件でフィルタを作成」をクリック→表示されたオプションで「削除する」を選択して→「フィルタを作成」で完了です。

 上述の「削除する」を選択する代わりに、「受信トレイをスキップ(アーカイブ)」を選択すれば、「プロモーション」や「ソーシャル」のメールは、受信トレイには表示されませんが、「すべてのメール」内には表示されるようになります。受信トレイ内に「プロモーション」や「ソーシャル」のメールは入っていますが、ただ非表示になっているだけですから、プロモーション・ソーシャルメールも、Gmailの保存容量を消費しています。そのため、1~2年に一度は、受信トレイ内の検索欄で、「category:promotions OR category:social」を使って一覧表示し、不要なものを一括削除する必要があります。これにより、Gmailのストレージを節約し、受信トレイの整理状態も維持できますが、この削除する作業が面倒であれば、上述のフィルター設定で、「受信トレイをスキップ(アーカイブ)」を選択しないで、「削除する」にしておけば、手動削除の手間は省けます。

 この「プロモーション・ソーシャルメールのフィルタ設定」は、Gmailが使えるようになったら、すぐ行うようにしましょう。

3. Gmailで迷惑メールに誤分類された場合の対処方法

 Gmailの迷惑メールフィルタは高性能ですが、まれに本来受信トレイに届くべき正当なメールを誤って「迷惑メール」フォルダーに振り分けてしまうことがあります。

 ここでは、そうした誤検知が起きる可能性と、誤検知された場合の対処方法についてご説明します。

(1)Gmailの誤検知について

 Gmailの迷惑メールフィルタは、スパムメールを高精度で判別するよう設計されていますが、完璧ではありません。

 Googleによると、正当なメールが誤って迷惑メールに分類される確率は0.01%未満とされています。これはおよそ、1万通に1通未満の割合です。

 筆者自身も十数年Gmailを利用していますが、実際に誤検知を経験したのは2回だけです。とはいえ、大切なメールを見逃さないよう、定期的に迷惑メールフォルダーを確認することをおすすめします。

(2)誤って迷惑メールフォルダーに振り分けられた場合の対処方法

 もし、正当なメールが誤って迷惑メールフォルダーに入ってしまった場合は、以下の手順で対処してください。

・Gmailを開き、左側のメニューから「迷惑メール」フォルダーをクリックします。

・対象のメールを開きます。

・メールの上部に表示される「迷惑メールではない」をクリックします。

 この操作により、その送信者からの今後のメールは、受信トレイに自動的に届くようになります。

 なお、迷惑メールフォルダーでメールを開いた際には、通常「送信者のブロックを解除」と「受信トレイに移動」の2つのオプションも表示されます。

 しかしながら、「送信者のブロックを解除」は、送信者を以前にブロックしていた場合にのみ有効で、ブロックしていない送信者に対しては、実行しても効果はありません。

 「受信トレイに移動」を押しても、現在開いているメールを一時的に受信トレイへ移動するだけであり、今後のメールが自動的に受信トレイに届くようになるとは限りません。

 そのため、迷惑メールの誤分類に気づいた場合は、必ず「迷惑メールではない」をクリックするようにしてください。これが、今後その送信者からのメールを正しく受信トレイに届けるための最も確実な方法です。

(3)転送後の「元メールを残さない」設定にする

 メールのコピーをサーバーに残さず、Gmailのみに転送する設定にすることで、プロバイダー側のメールボックス容量を圧迫せずに運用できます。

 元のメールをサーバーに残したままにしておくと、受信ボックスが容量上限に達し、新たなメールが受け取れなくなる可能性があるため、注意が必要です。

第七章 セキュリティ強化~二段階認証の有効化~

 Gmailをより安全に使うために、二段階認証(2FA)を有効にしましょう。近年、フィッシング詐欺などの手口はますます巧妙になっており、不審なリンクや添付ファイルを開かないことはもちろん、不正ログインを防ぐための対策も重要です。

1. Gmailの二段階認証とは?

 GmailをはじめとするGoogleのサービスでは、アカウント保護のために「二段階認証プロセス」が導入されています。これは、通常のパスワードに加えてもう一段階の本人確認を行うことで、不正アクセスを防ぐ仕組みです。

 たとえパスワードが第三者に知られてしまったとしても、もう一段階の確認が必要になるため、アカウントの乗っ取りを防ぐ強力な防壁となります。

2.二段階認証の仕組み

 通常のログインでは、メールアドレスとパスワードを入力するだけでアカウントにアクセスできます。しかし、二段階認証を有効にすると、それに加えて次のような本人確認が求められます。

 主な認証方法は以下のとおりです:

・Googleプロンプト(スマートフォンに届く通知に「はい」と答える)

・6桁の確認コード(登録済みの電話番号にSMSまたは音声で送信)

・認証アプリ(Google Authenticatorなどによるコード入力)

 使用する端末や状況に応じて、最適な方法を選ぶことができます。

(1)二段階認証の設定手順

 二段階認証は、以下の手順で簡単に導入できます。

・ブラウザで「https://myaccount.google.com」にアクセスし、Googleアカウントにログイン

・左側メニューから「セキュリティ」を選択

・「二段階認証プロセス」の項目で「開始」をクリック

・画面の案内に従って、スマートフォンの番号や認証方法を登録

・最後に設定内容を確認して有効化

 中でもGoogleプロンプト(スマートフォンに届く通知に「はい」と答える)を利用する方法は、操作が簡単でセキュリティ性も高いため、お勧めです。

(2)二段階認証が求められる場面

 二段階認証は、通常とは異なる環境からのアクセス時に作動します。以下のようなケースでは、追加の確認が求められます。

・初めて使うスマートフォンやPCからのログイン時

・海外など、普段と異なる地域からのアクセス時

・Googleが「不審なログインの可能性あり」と判断した場合

 このようなとき、パスワードだけではログインできず、安全性の高い本人確認プロセスが起動します。

(3)二段階認証のメリット

 二段階認証を導入すると、次のような利点があります。

・パスワードが漏れても安心:第三者による不正ログインを防げる

・アカウントの安全性が大幅に向上:Gmailに限らず、GoogleドライブやGoogleフォトなど他のサービスも保護される

・長期的に安全な運用が可能

(4)注意点とアドバイス

 二段階認証は強力なセキュリティ対策ですが、いくつかの注意点もあります。

・スマートフォンを紛失した場合に備え、バックアップコードや代替手段(他の電話番号や認証アプリ)を準備しておきましょう

・「このデバイスでは次回から求めない」にチェックを入れる際は、共用パソコンでは使わないよう注意してください

・スマートフォンの機種変更時は、認証アプリの移行を忘れずに行いましょう

 Gmailへの移行や併用は、すべてのインターネット利用者、特に高齢者の方にとっても、より安全で安心なデジタル生活への第一歩になります。まずは、できるところからセキュリティ対策を始めてみましょう。

                                           以 上 

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