海外展開には、専門的な知識と能力が必要
海外展開には、専門的な知識と能力が必要です。そのことに気づかないで、いきなり貿易や企業進出をすれば、成果がないどころ、損失を被り兼ねません。海外展開に必要な専門的な知識と能力を身につけること、それが、海外展開の基本です。
基本を知らずに海外展開すると・・・
海外展開の基本を知らずに海外展開すれば、失敗するのは当然です。ところが、海外展開をしたことのない企業の多くが、いきなり「海外バイヤーとの商談会」や「海外企業とのマッチング会」などに参加しています。そして、海外展開をした途端に、こけて転がる企業が、少なくないのが現実です。
貿易の基本
貿易には、国内取引とは異なる商慣習や、貿易特有の規則(Rule)、国内取引にはない決済方法などがあります。貿易の基本を知らずに、海外取引をしようとしても、海外側の業者は、まともに商談相手にさえしてくれないでしょう。貿易を知っている人にとって怖いのは、国内ビジネスの常識しか知らない人と商売することだからです。貿易には、世界の貿易業者に共通の商慣習や規則、決済などの知識を身に着けることが求められます。しかし、それだけでは、不十分です。
貿易の基本は、“ノーリスクで行う”こと
貿易には、様々なリスクがあります。そのリスクのひとつひとつを、しっかりとリスクとして認識し、リスクを回避し、ヘッジする方法を知らなければ、安全な貿易はできません。貿易では、そうしたリスクヘッジのための環境(インフラ)は、ほぼ整っています。貿易は、”ノーリスク”で行うことが基本です。
多くの貿易実務書は、リスク回避の視点を欠いています。出版されている「貿易実務」本も、「貿易実務セミナー」も、”ノーリスクで行う”べき貿易の基本には触れないで、インボイス作成の方法や、パッキングリスト作成の方法、あるいは通関や決済の実務といった『契約した後の貿易実務』に大半を割いています。如何にしてリスクを背負い込まないで契約するかは、ビジネスマンにとって欠かせないビジネスの視点です。『契約した後の貿易実務』も重要ですが、『契約するまでの貿易実務』も、それに劣らず重要です。しかし、リスク回避の視点で貿易を説く「貿易実務書」も「貿易実務セミナー」も、殆ど見かけることはありません。東中ビジコンは、百戦錬磨の実務体験で蓄積した、その具体的なノウハウを持っていますし、それをお伝えすることもできます。
企業進出の基本
海外への企業進出は、海外という異文化環境の中で、会社を経営することです。日本での会社経営の方法や考え方を、そのまま海外に移植すれば、たちまち失敗します。先ずは、進出先の政治や経済の状況、宗教、社会構造、企業経営に関連する法令、税制、労働、福祉等の法令はもちろんのこと、その国(地域)の人々の精神文化や行動文化に至るまで、謙虚に学ぶことから始めなければなりません。
現地任せにしない企業経営
海外への企業進出は、異文化環境の中で会社経営をすることですが、海外子会社で陣頭指揮に当たる人に、『頑張って来いよ! 任せたぞ!』の一言で送り出してしまう企業がほとんどです。送り出された人が優秀であれば問題ないでしょうが、そうでなければ、確実に失敗します。このような属人的なやり方は、そろそろ考え直すべきです。親会社が、海外子会社をどうやって統括・管理していくのか? 海外子会社は、どうやって自社社内の経営管理体制を作り、管理していくのか? これは、とても重要な問題です。
海外展開には、「踏むべき手順」がある
一つ、とても大事なことを言い忘れました! それは、貿易にせよ、企業進出にせよ、海外展開には、「踏むべき手順」があるということです。適切な人材がいなければ、海外展開は無理でしょう。資金がなければ、海外展開はできません。日本の親会社の経営管理レベルが、そう高くないのに、海外に子会社を作っても、子が親を超えることはほとんど無理でしょう。子会社の経営管理などできるはずもありません。また、最大の異文化障壁である「言語」の壁は、どう乗り越えるのでしょうか? 現地の人を通訳で使うというやり方もありますが、通訳の品質はどうでしょうか? 善意の通訳ばかりとは限らないというリスクを、どう解決するのでしょうか? 信頼できる人だから大丈夫?さんざんその言葉のために、裏切られた会社が、掃いて捨てるほどあるではないですか! 手順を踏めば、こうしたリスクでさえ、大幅に軽減できます。
踏むべき手順とは;
1.海外展開の目的(必要性)確認
2.海外展開できる能力の検証
3.海外展開の仮想計画の作成
4.上記仮想計画の検証と実行可能計画の作成
5.海外展開実行可能計画の実施。
「踏むべき手順」のどれをスキップしても成功はおぼつきません。海外展開する能力を欠く企業が何も補強することなく、いきなり海外展開すれば失敗するのは当然です。
検証すべき「能力」の中には、最大の異文化障壁である外国語(英語)があります。多くの海外展開支援組織が、通訳を用意して商談会や展示会等のイベントを行っていますが、これでは海外展開の能力を欠く企業を、いきなり海外展開の第一線に引っ張り出すようなものです。海外展開に必要な「能力」は、外国語(英語)だけではありません。「人材」、「資金」、「情報」、「モノ・サービス」も検証する必要があります。
海外展開の支援組織が、「踏むべき手順」を知らなければ、責任ある支援などは不可能で、こうした支援組織は「海外視察」だの、「商談会」や「マッチング」だの、「展示会」だのといった、一見派手そうなイベントを行うことだけに注力する傾向にあります。鎧・兜を装着させないで、いきなり戦場に企業を連れだすことが、海外展開支援になるのでしょうか?
企業にとっても、支援組織にとっても、「踏むべき手順」は、まさに海外展開の基本中の基本でもあります。「踏むべき手順」を踏まないで、海外展開してはなりません。「踏むべき手順」を踏ませないで、海外展開に企業を誘ってはなりません。
東中ビジコンは、「踏むべき手順」を熟知しているビジネスコンサルタントです。