売買契約書式のダウンロード
2021年度以降、東中ビジコンが講師を務める、海外展開をテーマとする研修会やセミナー等に、ご参加いただいた皆様は、「売買契約書」のZIPファイルを、このページから、無料でダウンロードして利用することができます。ファイルには、「売買基本契約書」(個別契約書等を添付)とスポット取引用の裏面約款付き「売買契約書」の二種類 、それぞれ日本語版と英語版を納めています。
「売買基本契約書」は、特定の商品を特定の買主との間で、長期に亘って取引するためのもので、契約書に盛り込む条項は、長期の取引で起こり得ることを、できるだけ網羅する必要があります。同時に売主と買主は、可能な限り協力し合って長い取引関係を維持・発展させていく長期的な視点が欠かせません。
一方、裏面約款付のスポット取引の契約書では、一枚の契約書の裏面に、契約条項を盛り込むという制約があります。また、スポット取引なので、その取引で起こり得ることも限定的です。従って、裏面約款に記載する条項は絞り込むことになります。同時に、短期的な取引ということで、売主有利の契約書では、売主の立場を、相当程度優先した条項の書き方となります。長期の取引に耐えるための基本契約書と、短期的なスポット取引に使われる裏面約款付の契約書とでは、このように、記載すべき条項の数と内容に相違があることに、ご留意ください。
尚、ZIPファイルを開くのに必要なパスワードは、研修会やセミナー等の際に、お伝えします。是非ご活用ください。
海外向け輸出の行動を起こす前に、先ず自社の契約書式を作りましょう!
契約書は、商談の結果、合意した事項を纏めた「商談の成果」です。後日、契約に関して意見の不一致が生じれば、契約書に立ち戻って、議論することになります。しかし、現実には、多くの中小企業者・零細業者が、契約書を作成しないまま、海外との取引を行っている現状です。もちろん、契約書を作らなくても、口頭で合意すれば、契約成立となります。問題は、契約を巡って、意見対立が起きても、契約に基づく議論でなく、「言った」、「言わない」の議論しかできないことです。まして、契約書がなければ、第三者を説得することもできません。
また、契約書は、弁護士や行政書士が扱う分野だと思い込んでいる人も少なくありません。加えて、「契約書は難しい」、「言葉の僅かなニュアンスの違いで、大変なことになりかねない」といった、思い込みをしている人も少なくありません。無論、弁護士や行政書士でない人は、「法律事務」を行うことはできませんが、通常の海外との商取引で使う契約書は、法律事務ではないので、専門的な知識と経験さえあれば、誰にも関与することができます。それだけでなく、一般的な契約書に記載する契約条項は、料理のレシピと同じく、「知的財産権」も認められていないのです。特殊な創造性のある契約条項は別ですが、一般的な条項は、誰でも自由に使えますし、修正を加えることも自由です。
契約書は、難しくはありません。難しいと感じるのは、一度も真剣に契約条項を学んだことがないからに過ぎません。勉強したことがなければ、難しいに決まっています。そして、契約書には難解な言葉を使う必要はありません。契約当事者が、一致して同じ理解をすることができる言葉であれば、問題ないのです。むしろ、無理して難解な言葉を使っても、契約当事者の理解にズレが生じる恐れのある用語であれば、使うべきではありません。
契約書は、契約の都度、一から作る必要はありません。基本となる契約書式さえ作っておけば、マイナーチェンジだけで、使いまわすことができます。その意味で、定型契約書式を供えておくことは、海外ビジネスを行う場合、必要なことです。
契約書の各条項の意味を的確に理解することによって、契約交渉を有利に展開することができます。契約書の幾つかの条項には、「売手有利の書き方」、「買手有利の書き方」、「中間点での落とし所の書き方」、「相互主義の書き方」があります。それらを身に着けておけば、自らに有利な契約内容に、商談を落とし込むことが可能なわけです。逆に、こうしたことを知らなければ、不利な交渉を強いられたり、相手が出してきた契約書に、そのままサインせざるを得なくなったりします。相手が出してくる契約書は、必ず相手に有利な内容が書き込まれています。つまり、契約書についての基本的な知識がなければ、海外ビジネスで有利な展開など期待できないのです。